2019年8月22日木曜日

菊 残(そこ)なわれて 26-006

たまには季節を先取りしました。
いっとき咲き乱れた菊もそろそろ萎れて、という趣で移ろう季節を思わせる
鮮やかさを殺したくすんだ緑の地の小袖1枚から
26センチの1足を編みました。

26-006

¥4,000 (税込)
靴のサイズ 26 - 28cm程度の方にお薦めです


 

割合薄地なので
大きめ26センチを作るのに、
短冊は9センチ幅とかなり太めに切りました。

大きい草履はなんとなくネクタイ2本どりが
定番みたいになってきましたが、
本作は台・鼻緒・前緒と、全部同じ素材で作りました。
小袖1枚ほぼ丸々使い切って1足完成。
余りが出ないって気分がいいです。

地味目の1素材だけで、というのは、
確かになんとも地味ですが
ひっそりと静かな美しさと前向きにとらえます。

花柄は白菊ではないようなので、
移菊(うつろいぎく)と称するわけにはいきませんが、
晩秋のころの寒さで
花弁の端から変色してきた、という雰囲気です。

襲の色目の名前をいただくのは諦めて、
お茶席の禅語を強引に拝借します

菊殘猶有傲霜枝
 きく そこなわれて なお しもにおごるの えだあり  

  

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2019年8月20日火曜日

バランス崩し 21-022

レトロな柄の和服地2種類を組み合わせました。

21-022

¥4,000 (税込)
靴のサイズ 21 - 22cm程度の方にお薦めです

本作品は現在展示貸出中です




赤とクリーム色の青海波柄。
洗い張りして反物の形の戻して、
それきり忘れられてしまったようです。
洗い張りするだけの価値のある素材
だったのでしょう。

台と前緒に使いました。





鼻緒と台のかかと部分に使った
18 x 120センチくらいの細長いハギレ。

梅と扇
扇の柄は菊の花のようです。





両足同じように模様が出るようには配置できなくて、
かなりの柄ゆきの違いが左右でできてしまいました。
1枚目の写真の左にばかりたくさんの梅の花。
扇も左にしか柄が出せませんでした。
右は鼻緒の付け根のところになってしまって
台の模様と同化してしまって全然目立ちません。


かかと部分は右の右端に扇、
これも上の部分と同化して
かかとの濃紫の右側が欠けたみたいに見えます。

でも両足の柄を揃えてます、なんて標榜してませんから
バランス崩しの妙味ということで
こじつけさせていただきます。



















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2019年8月17日土曜日

さくら色のAnimal Farm 21-021

動物模様が集まりました。

約90センチ角のやや薄地のコットンの端切れ。
白い子猫のスカートとリボンが赤です。
背景の水色は何なんでしょう。


これだけでは1足分の台には到底無理なので、
申し訳程度の正真正銘のハギレですが、かかと部分にちょこっと足しました。
生地は小さくても、ウサギ・クマ・ヒツジと動物種は豊富です。



かつ、
22-020と同じように『増量』。
使い途がなくて放置してあった
キルティングの変形ハギレ。
"school dog" という表示で、
スヌーピーの著作権を侵害せず、
とアピールしてるみたい。
5-7ミリ位の細紐に切って、
犬を猫で巻きました。
芯も10ミリロープを使ったので
かなり厚みのある台が完成しました。


21-021

¥4,000 (税込)
靴のサイズ 21 - 22cm程度の方にお薦めです
 
本作品は現在展示貸出中です
 


 鼻緒はネクタイ起源です。
光沢のあるあや織の濃紺地に
ピンクとラベンダーのウサギちゃん柄。

小さいサイズの草履なので、
偉大なるつぎはぎの努力?の結果
ネクタイ1本から鼻緒2本とれました。
私ってスゴイ!    
ひどく手間がかかったというだけで、
自慢するほどではありませんが。





 鼻緒には Liberty プリントを持ってきました。
Liberty 特有の典型的な植物柄で、
アニマル柄で統一というテーマは崩れました。
















 


 
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2019年8月15日木曜日

夏だもの Tori Richard 22-020

いつどこで入手したものか、全く記憶がありませんが
ホノルルのリゾートウェアメーカー Tori Richard のハギレ。
アロハシャツを作った後の残り布なのか、
205 x 55 と 58 x 52 という半端な2枚。


とにかく夏に作らなくていつ作るんだ、と張り切って、、、
でも、夏バテと言い訳している間に立秋を過ぎてしまって
もう残暑お見舞いの季節になってしまいました。

ハワイのアロハシャツの中ではかなりの高級ブランドという Tori Richard。
ヨーロッパでも結構な人気で、高級シャツに分類されているそうで、
かなりセレブっぽい。 
とにかく手触りがとっても滑らかで、柔らかな薄手の生地。
これが Tori Richard の象徴的な素材だそうで、
綿なのに絹と錯覚しそうな細番手の極上のローンです。

ということはどんどん短冊が減ってしまうので、
今回はサイズは小さめ22センチ、
かつ楊柳の夏物単衣を細く切って短冊の内側に巻き込んで増量?しました。
柔らかい質感はちゃんと残しました、念の為。



22-020

sold
お嫁入りしました。
ありがとうございます。
 

見えざる増量の努力のおかげで、
台と鼻緒と、取ろうと思えば前緒も取れたのですが
それではあまりに地味になるので、
ここはなんとかアクセントをつけたい。

赤だ、黄色だ、薄紫だ、花柄だ、と色々合わせてみたものの
どれもなんとなくしっくりしなかったのですが、
結局、半ば諦めて白地に細かい赤をもってきてみました。



布の端にあったロゴを
わざわざ綺麗に切り取って、
縦に鼻緒に留めつけました。
まるでメーカーの回し者みたいですが。





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2019年8月13日火曜日

小さきものは みな 美し 18-001

18センチサイズの一足を作りました。
使い途がないからと廃番にしてしまったmini 以外で一番小さなサイズです。

 18-001

¥4,000 (税込)
靴のサイズ 18 - 19cm程度の方にお薦めです


平安の偉大な才媛を引用しようというのは
まことに身の程知らずではありますが
清少納言の書いている通り
なにもなにも、ちひさきものはみなうつくし 

とにかく ちっちゃいというだけでかわゆいのです。

それに比べて25センチだの26センチなど、という
堂々とした?草履は 
正直なところ創作意欲が湧きにくいです。


台のかかと部分と前緒が同じ無地素材です。
たまたま
大きい (つま先の) 部分に使った柄物の紫と
ピッタリ色が合いました。










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